第三次予選を前にして(恩田陸『蜜蜂と遠雷』中間感想)
カザマジンがやるのは生まれる前の音楽、楽譜になる前の音楽、作曲家の頭の中で書き出される前の音楽、世界にもとから存在していた音楽、純度が高い、自分の中にあるもの、知っているものを思い出させる音楽。
なぜかテーブルクロス引きを思い出す。彼がテーブルクロスを引くと、その上にのっていた食器たちが踊りだす。奇術、魔法、手品。彼の演奏への熱狂や嫌悪はそういうものではなかろうか。知っているものが形を変えてあらわれること、しかもその姿がより「本物」らしく見えてしまうこと。
それはマサルと似ているが、マサルの場合は主体としての自分が確実にある。きっと「マサルの(曲名)」にしかなりえない。カザマジンはピアノを使って音楽を誘い出す、解き放つ、本来の姿を引き出す。マサルは熱、太陽。カザマジンは透明。
エイデンアヤは? エイデンアヤのイメージは終始水だ。彼女は彼女のまま姿を変える。それはきっと「エイデンアヤの(曲名)」ではない。エイデンアヤは見守る、あやつる、導く?
マサルほどの主張はなく、しかしどうにでも姿を変えられるという個性は彼女のものだ。器。あるようなないような。全てを受け止める、そして流れ出す。
明石、彼は大人だ。あふれるものがあっても大人だ。見ている世界が全然違う。とびぬけた特別ではないがじゅうぶんに特別なひとり、そして、特別ではないということは、素晴らしくないということではないと教えてくれるひとり。
恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読んでいる。第三次予選が始まる。すべて読み終わったら、イメージの共有について考えてみたい。
返礼もしくは反撃
カルテット2話で、
踊り場vol.3がすごいよかったから読んでほしい
踊り場( @odoriba_mag )も届いちゃったし最高だな pic.twitter.com/Jwe5ttz8Vr
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月19日
美術雑誌『踊り場』vol.3が昨日届いた。朝起きて読んだ。
これは野口翔平さん、小林舞衣さん、廣谷妃夏さんによって作られている雑誌で、12月28日に発行されたもの。テーマは「ちょっとそこまで、ずっと遠くへ」。踊り場GARAGE STOREで買えます、600円ぽっきり。
Twitterで偶然制作者の1人を知り、vol.2販売後に関連イベントに出向き、たくさんの関係者をめちゃくちゃ好きになってしまって帰り、今回は事前に予約させていただいてたんですが、めちゃくちゃよかった。めちゃくちゃよかった。
今号の内容は、ゴムホースの写真を取っている中島由佳さん(https://www.instagram.com/nakasmith/)へのインタビュー、生活に向かい合う笹野井ももさんの自宅展の様子、物々交換所というシステムの設置者酒井貴史さんへのインタビュー、ものと思いについて話す京増千晶さんの「植物と標本のあるくらし」、郷田彩巴さんの使い捨てカメラを用いた試み(たくらみ?)、そしてことはあいこさんの「染め」のレシピと満月の記録@インドネシア。です。
全部よかった、わたしは以前実家に戻っていたときに偶然ホースの写真を撮っていたし、人の生活を見るのが好きだ。まさかボルトがあらわれるとは。酒井さんの「やっていて一番楽しい仕事ってタダ働きだったりするんだよね」という発言には実感をともなった共感を感じるし(文章の流れの中でこの発言についてぜひ読んでほしい)、古代からある植物はすごくかっこよく見えた。他人の写真を撮る理由かもしれないものを教えてもらうことは嬉しいし、まさか絹の染め方を知ることになるなんて思ってなかった。これらはこの雑誌を開かなければ得られなかったもので、それが全部嬉しい。
今号がすごくいいなと思ったのは、前回以上に「よくわかる」ようになっていたことだ。それはもちろん、わたしにとって「よくわかる」だから、誰かにとっては「わかりづらい」である可能性はあるのだが、美術的な文脈をほぼ一切もたないわたしでも理解できるような注釈が入っていたのはとても嬉しかった。言っていることがわかる(何を意味しているのかがわかる)のは読んでいてとても楽しい。なんだか親近感がわいた。どうしても「美術」というものに距離を感じてしまうこともあるのだが、この雑誌には自分と共通する言語を感じた。これは言葉が単純だとか、そういうことではない。しかし言葉が素直だなというのは強く感じた。インタビュー上手だな……とも思う。
それで、いやあ〜全部おもしろかったなあとかのんきに思いながら読んでいたら、ことはあいこさんの最終ページにすごい言葉があって、うわっと思ったときにはもう涙がこぼれていた。それはこういうものだ。
“Buddhist and Shintoist celebrate Christmas Day at Balinese Hindu temple in the biggest Muslim country.
Is this what 'PEACE' is ? Safe trip to Japan, Aiko! ”
「仏教徒と神道の私たちが、クリスマスに、ヒンドゥー寺院で、お祈りをする。そしてここは、世界で最も大きなイスラムの国である!
これを平和と言わず、なんと呼ぶ? 愛子の日本への旅に幸あれ。」
なにを、一体なにをどうしたらこんな言葉が出るんだ。その澄みきった言葉を発するのはどんな人なんだ。めちゃくちゃ感動した。平和という言葉に心を動かされたことなど今まで一度もなかった。こんな形で最後に心が揺さぶられるなんて……。
わたしが今(一応)専門としているのは宗教社会学で、どうやったら違う考えの人々が、「無理をせず」お互いにわかりあえるのか?というのがどうにもよくわからなかった。信仰が違うというのは見ている世界が違うということでもありうる。そんな人々がどうやって一緒に生きるのか? 考えた結果、一時的に至ったのは、「とりあえず宗教的な思想の要素などを全部抜いて、世俗的(宗教的の反対語、世の中の「普通」)な形で、そのメリットだけを得られるようにすればいいんじゃないか」というものだった。そうしてしまえば、そこの部分だけは世界観が一致するはず、その領域では信仰が関係なくなるはず。
だけど、この言葉を読んで、ああそっちじゃなかったんだ、全部を包み受容するやり方を実践できる人がいるんだということを感じて、ものすごい希望になった。ほんとに。信仰をもたない人が何かを受容するということも大変だけど、信仰をもっている人がほかの信仰を受容するということは、めちゃくちゃ難しいときがあると思う。だからそういう、理念としては何度も語られてきたであろうことを、こんなに自然な形でやってのけることにびっくりして、嬉しくて、ありがたいと思った。
これだけ感じるものがあったからこそ、この文をブログで引用するか悩んだ。だってこれはきっと大切な言葉だ。これをことはあいこさんの友人が発して、ことはあいこさんが書いて、踊り場の編集部の方が本にしなければ目にすることがなかった言葉と気持ちだ。スッと、こんな簡単にわたしがインターネット上に流すものではないと思う。大体の作品についてこのようなことを思っているけど、とくにこれについては強くそう思った。
迷ってしまったので踊り場編集部の方に相談したら、ことはあいこさんにも聞いていただけて、引用してもオッケーとのことだったので、こうして書くことにしました。
そういうわけで、わたしは最後にぐわっともっていかれちゃったんですが、全体的なデザインもおもしろいし(とくに写真の配置がいい)、文章にうん?と困るとこがなかったし、本の綴じ方もかわいいし(今回はミシン製本のものがある)、質的調査のようなフシもあるし、文化人類学的要素もある、みんな見てよ。という気持ちです。植物好きな人もカメラが好きな人も、あるものとそこに込められた意味が好きな人も、いるでしょ!読んで!
もう1回載せるけど、ここで買えますんで。どうぞよろしくお願いいたします!
中島由佳さんのインタビュー、インスタのホースの写真に中島さんのアカウントがタグ付けされてるのおもしろすぎる、わたしが伊豆で撮ったやつもタグ付けさせてもらおうかな pic.twitter.com/YfWaSdOdGt
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月20日
うわー満月通信の最後、すごくすごくよかったです、そんなことを言ってくれる友人の心……うわーー 踊り場VOL.3、全部かなり好きだったのでみんなに読んでほしい……。
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月20日
えっ というか今回のこのデザインってもしかしてホース!?!?!?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月20日
ドラマ「カルテット」1話感想まとめ
火曜ドラマ『カルテット』主題歌は椎名林檎が書き下ろし、歌うは松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平による番組限定ユニット!! 初回放送までの2... https://t.co/C8HSznomSj あの今まで高橋一生なんとも思ってなかったんですけどとりあえず見てください
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
前フリ 高橋一生目を閉じて歌ってるのよい
雑なことを言います、昔人気だった俳優って目がキラキラしてる人多かった気がするんですが、最近みなさんにウケてる俳優目の奥が暗い率高くないですか?みんな趣味変わったんですか?それとも暗い母数が増えたんですか?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
でも俳優、わりと陰っぽい人多いですよねとも思います
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
わたしはどちらかというと爛々としてる側の危なさのが好きですね〜
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
これもフリみたいになってしまった
セリフが心に刺さりすぎる!坂元裕二が手がける「 カルテット 」にドラマファンの胸躍る https://t.co/loW2FIAiSi 高橋一生のコメント、っぽいな~イメージ通りのかんじ
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
カルテットリアルタイム勢と思わしき人々のツイートやばいな~妄想なのでは?って感じの内容だけど、ほんとオタクがギャルを通してパンピーと近づき一般人の色が変わったというのがここ数年ありそう(全部イメージ)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
まだ視聴前
カルテット見始めたけど、演奏よすぎ めっちゃきもちいい……あと好きになるなら松田龍平です 松たか子最初っからやばい女では???
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
うわっ 高橋一生
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
うわ~~~高橋一生
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
声が聞こえないシーンって最高の離婚でもあったよね……?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
こういう演奏前の「いつもの」やばいな~
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
じつを言うとキャストのことは誰もそんなになんですが、音がきもちいいドラマなので見ちゃうだろな~
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
松たか子が旦那と結婚した理由として言った言葉、推せるな~(体温が高い人間に実際そういうことはあると思う)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
わたしはね、たぶん別府さんが好きなんですけど。ここから先は性格がめちゃくちゃ出てしまうのでログが残るインターネットではなにも言えません、リアルで話しましょう
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
もうこの辺りから我慢できなくなってきた、リアルで話しましょう わたしは人間のことについて話すのが一番好き……。
「わたしもすっごい泣けて気持ち良かったんですよ」「お店が炎上しちゃうじゃないですか」すごく性格がわかる2文だね
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
元地下アイドルの店員 今出た中ではぶっちぎりで嫌いです 明るくて無神経なので 利己的だし自分の中にあるそういうところが嫌いというのに重なる
どうでもいいけどすずめちゃんがビール苦手なのかな?というのが気になる
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
とみざわさん似合いすぎでは?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
うっわーー!バチバチだな!みんなが!
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
最高の離婚はやりあうのがおもに二人だったから追い付いたけど、四人(三人)でやりあわれるとわたしの処理能力がまっっっったく追いつきませんね
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
わたしのコミュニケーションの仕方、だれがどういう回路があるか把握してそれぞれを理解していくというのが主なので、ここ3人みんなあんまり「普通」ではないっぽいコミュニケーションなので1話1週目じゃあ全然なにもかもわからない、混乱する 半数以上が比喩多用するし
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
家での4人(というか別府除く3人)でやりあうシーンで処理能力が限界を迎える 全員の個性が強くて、同じ言葉でもその意味解釈と意図がそれぞれ違うからパンクしそうになった
性質で分けたら
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
← ヤモリ・別府・すずめ・マキ →
かなと思ったけど、これはふたつ軸がないと適切でないな
多分「常識への納得度・身にしみてる度」についてこう思ったのだと思う
マキは常識をインストールしてはいるか…「常識」と「こだわり」が絡み合っててうまく分類できない、今のとこ 一番「普通」なのが別府(しかし若干ストーカー気質)、過度に論理的なのがヤモリ、常識を知っているが自由度が高いのがすずめ、「普通」をインストールしたのがマキという印象 初回では
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
みんなクセが強すぎる!!!こんなんじゃノブが手が足りなくて困るよ!!!
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
このドラマのキャラクターが実際にいたら、誰のことも好きになるだけの度胸も覚悟も持てないな……そういう意味で言うと案外いけるのはすずめとヤモリだろうな(把握しちゃえばいけそう)、逆にマキと別府は手を出したら逃げられない感じする……
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
高橋一生さんの声、わたしの耳が聞き取りにくい性質の声だな~というのが実感された(低めでこもり度が強い声)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
エンディング最高だった、満島ひかりのしぐさがいいし、高橋一生はしゃべらなければ声が聞きとりづらいことが問題にならないのでめっちゃエロかった
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
高橋一生に個人としてとくに盛り上がらない理由、自分の耳が聞き取りにくい音だからだったんだけど、徐々に慣れ始めている様子です
キャラ萌えかつ関係性萌えが強いのですが、4人もいると10通りの関係性があって追い付けない……
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
別府さんのささくれ、ひどかったな……。
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
みんな勝手!人間かよ!と思ってきたな~(興奮で寝つけない)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
決めつけがすぎる、配慮がない、言葉を言葉通りにしか受け取らない、でも彼らは口と頭が直結してるだけで、みんな思ってはいたりすることだよね~?の気持ち、だからこそわたしはあの元地下アイドルが一番ダメだな…… いま連想しているのはコンビニ人間です……
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
ああいう感じで4人みんな直接的な話も比喩を何が示してるかも理解できてるのがすごい、文脈においていかれるとしたら別府かなと思うけど
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
ここまでで1周目です 2周目の感想に入ります
もう一回カルテット見てるんですが、やっぱり別府はいわゆる定型っぽいけど十分暴走してる、それなのにそれをはるかに超える暴走度の人たちがいるから別府が隠れている…すごいよ~
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
初っぱなから高橋一生のアクセルがやべえ~
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
高橋一生たしかに上目づかいすごいな~
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
あと、わたしは逆に、逆にですよ、唐揚げにレモンをかけない派(?)かもしれない高橋一生がレモンを切っている事実とかかなりいいなと思う、あそこで大事なのは道理を重視するということの強調だけど あとこれさては数回見ると高橋一生ことヤモリのことがかわいく見えてくるやつだな……?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
わたしは最後まで星野源とひらまさを混同しなかった女なので信用してほしい、ヤモリを好きになったとしても役者は別(きっと)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
だんだん高橋一生というかヤモリのことを好きになってきている様子です かわいげがある
これに通じるんだけど、ヤモリやすずめちゃんは彼らの法則さえ理解してしまえばうまくやっていけると思うんだよね
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
あまり描かれてないのもあってだんだん別府へのおそれのが強まってきている
「きっと今頃家中靴下散らかってます」この時点では言う気はなかったのか、あと「夫婦って別れられる家族なんだと思います」に対する「いいなあ」、これマキと夫婦になれるのが?かと思って見てたけどもしかして、「別れられる家族」?
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
2周目で気づくやつが始まってる 別府のおじいちゃんが偉大っぽいということを考えると……。これ別府のが鬱屈しているパターンでは
いまの発話のメインじゃないが気になるところについて各自が言及するので難しいよ~ あとやっぱりヤモリの発言には「僕はこうだから」の劣等感みたいなものが見え隠れしてるよね、でもなにかを主張する権利がないとはまったく思ってない
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
ベンジャミンの話を通して彼らそれぞれのコンプレックスとそれへの対処の仕方が見える、気がする……。
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
コンプレックスというかは微妙だな、特にマキに関してはここにあるのはコンプレックスでも何かしらの傷つきでもなさそう。ああでもみんな若くはないんだろうな……。演奏者としての成功って結構早い段階でどうなるか自覚がありそう。それが確かか不確かかは別として。
マキは自分もみんなも成功しなかったという認識で、それでも趣味にできず仕事として音楽をやり続けたいなら障害物はどかさないといけない、同情してる場合じゃないという感じの考え。かなり「事実の認識」っぽい考え方だと思った。物事を語義通りに解釈する印象。というか国語辞典とか論理っぽい、物事は不変、みたいな考え方をしてそう。
ヤモリは「自分も成功していない側」という意識だがこれはあくまで「まだしていない」であって「しなかった」とは違う気がする。「同情」は悪いものでないという認識で、合理的ではあるが結構思いやりがある。自分のルールに反していなければ、みたいな感じで、そのルールというのも結果的に自分を守ることにもなるが、実際はすべての人に権利を保障する、みたいな考え方のようだと思う。
すずめは「お金がない」、しかし音楽をやめる気はまったくない? マキの発言に対する反発(こうするしかない→マキさんはこうするしかない、ことないですよね?)が強かったように思われたので……。あとは案外結婚とかについてもグイグイ聞いているのが気になる、それ自体に興味があるのかそれともマキに興味があるのか、マキが隠そうとしていることだから突っ込んでいるのかはわからない。あといやなものには明るく対処する方向性があるように思う。それも暗くしてたってどうにもなんない、みたいな理由で。
別府はある意味すごく「一般的」「普通」な反応をしている。弱いものには優しく。別府に関してはまだあんまり情報がない、けどその優しさと一緒にぼーっとしているところがあって、気がきかないというか、素直すぎるフシがある。本人自体に今のところ害はなさそうなのに地雷を踏んでしまうところがあるっぽい。ちょっと逸れたけど、もしかして「弱いものには優しく」は、自分が接されてきたやり方に由来するものでは?という感じもする。いやまあ道徳でそうやってやることが多いだろうし、これはちょっと性格が悪い読み取り方かも。わりと自分が謝ることでどうにかしちゃいそう。
ヤモリ、やさしい……
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
ヤモリはマキに「唐揚げにレモンぐらいで」と言う、それは唐揚げにレモンはいろいろ言うことではないという認識を持っているのか、それともそう思っていなくても慰めとしてそういう優しさはあるかのどちらかだし、あと同情は悪いものじゃないという判断の反映かもしれないし……総じて愛せるな
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
結構フォローに回ってるんですよね。
マキにとって「音楽と一緒に暮らしたい」は、(邪魔するものを蹴散らしてでも)という前提つきじゃないですか?あと別府はガンガン地雷を踏むな
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
このドラマで意外だったの、みんなパーソナルスペースとかあんまりなさそうなとこ
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
むしろわりと近い。気難しい系の人はいないけど……あっでもシェアハウスするくらいだし……?
今気づいたけど、高橋一生の音のこもり、歌になると絶対に口を開けるから響きに変換されていいな……(2周目見終わりました)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月18日
エンディングがめちゃくちゃ好き。満島ひかりのお化粧がきれい。というか当たり前のように飲み込んでしまったけど、マキの不安になるとあんまりよくない動画見ちゃうのとか、声がめちゃくちゃちっちゃいのとか、なんなんだよ!いやわかるけど!なんなんだよ!そして動画に関してはみんな突っ込むけど、声の小ささとかにはあんまり突っ込まなくて(ヤモリの「いつもの音量で大丈夫です」ぐらい)、そういうところにわりと優しさ……と思う。
めちゃくちゃ2話以降どうなるか気になる、画がきれいだし音もきれい、キャラクター単体で言うならすずめちゃんが好き。はやくみんなのこともっと知りたい……という気持ちです。
「普通の人」っぽくない人間が物語のメインに据えられてるのを最近よく見る、どうかそれを受けとる人が(ああ、こういう人もいるんだな)と見ていてくれたらいいと思う、(こんなの物語の中にしかいないよ)じゃなくて。
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
今後このドラマの感想ツイートしてるうちにどんどんバレると思うので先に言っておきますが、わたしはおそらく根がスケベですね。
以上です。今思ったけどこんな彼らがアンサンブルやるのってすごい、すごいあれですね。
あとおまけです。もうすぐ誕生日なので
1月24日が誕生日なので、ほしいものリストほんわり作成しました https://t.co/eNvzwVvbN4 やばそうな情報見れちゃってたら教えてください! あと1番目か2番目にほしい3000円強の抱きまくらはここに載ってないんで、個人的に贈ってくれる人は連絡ください(強欲)
— ハルカ (@sharuka0) 2017年1月17日
志村貴子『娘の家出』がめちゃくちゃいい
娘の家出【期間限定無料】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/10/27
- メディア: Kindle版
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めちゃくちゃいいです!
志村貴子さんて結構百合を描いてる方というイメージで(今は「愛を現実のこと忘れずに描くのが上手だな」というイメージになった)、『わがままちえちゃん』という作品を以前本屋で見かけて読んだんですが、なんかこうおもしろい世界観だけどビシッと厳しさのある感じだな〜と思っていました。
Kindleで11月9日までの無料セール(無料セール?)を見かけて、『娘の家出』1巻2巻を読んだらまあよくて、主人公が女子高生たちなんですけど、それぞれの世界が描かれてるんですよね。彼女たちは友人なんだけど、彼女たちの世界は当然そこだけじゃなくて、それぞれ家族であったり恋人であったり、はたまたアイドルであったり、違う世界を持ってる。なんかそういうとこがすごい好きなのかもって今書いてて思いました。
それと、感情の言語表現がすごくはっきりしているというか、結構大人びてるんですよね。特に小学生ぐらいの回想シーンとか。でも、考えてみたら自分もこうだったかも、ここまではっきり言葉にはできなかったけどたしかにこういう思いだったなとか、悪気なくただただストレートに、相手の痛いところに豪速球投げちゃったよなってことを思い出したりとか。知ってる感情がいろんなところにあって、反対に知らない感情もこまごまあって、そういうのがすごくいいです。
などと思っていたら、すっかり続きが気になってしまって、3巻から5巻まで購入しちゃいました。Kindleはホイホイ買えちゃって困りますね、サンタさんどうかAmazonギフト券を。
よく考えたら、オムニバス形式なのに先が気になるって不思議な気がします。どんどんいろんなキャラクターに愛着がわいてきて、好きだよ〜とかよくやった!!!とか、よっしゃー!ってこぶしを突き上げたくなる。よかったら無料のとこまでだけでもぜひ読んでください、あとちょっとだし。でもわたしが特に好きなのは4巻5巻あたりのエピソードなので、よかったら買ってみてくださいね!
『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読んだ
永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』。タイトルに一本釣りされpixivで読んだところ、絵柄が好きだし物事の描かれ方もかなりいいなと思っていたので 、今回書店で購入しました。
どうしてもいろいろ自分と重ねながら読んでしまったんだけど、「ふつうの生活」「バイト」などが可能になった状態をメダルで表しているところ、「ぐぅ……」と声が漏れた。そういうラベルのようなものを追いかけている節が自分にはある。いつ作られたのかもわからないような「しっかりした人間」のイメージを追いかけ、ひとつずつどうにかクリアせねば……と思っているようなところ。そしてその像は決して自分の理想というわけでもないんですよね……。
かなりいいまとまりかたをしてるな、と思ったのは後日譚の描き下ろし部分で、「甘い蜜」について言及されているところ。永田さんの学びが率直に、しかも絵のおかげでめちゃくちゃイメージしやすくなっていて、ありがたや〜と思った。
全編通して、永田さんめちゃくちゃガッツあるなと思ったし、いろいろもう少しスムーズにできるような環境を整えられたらどんな力を発揮するんだろう……とちょっとワクワクしてしまった。本自体の装丁も好きな濃さのピンクで、英題として「The Private Report on My Lesbian Experience with Lonliness」と付けられているのもすごくいいなと思った。ウィズロンリネス。
「自分探し」、などと言うと笑われてしまうような風潮もあるけれど、それは「自分戻し」つまり「自分の意思を取り戻す」、そういうことなんだよなあと思いました。わたし自身、自分の意思をよく理解できていないことが多いと気づいたばかりなので、積極的に自分という人間を見つけ出していきたいな。行動を伴うトライアルアンドエラーをし始めたら、少しずつだけど自分の形がわかってきました。
2016/7/6現在、Kindle版は安い&ポイント還元率も高いですしぜひ。以上です。
映画『裸足の季節』/身体はただ、はつらつとしているだけ
映画『裸足の季節』を観てきました。
トルコの保守的な地域で祖父母と暮らしている5人姉妹が、あることをきっかけに、「傷物」にならないよう、いわゆる「チャラついたもの」を没収され、柵で囲われた家の中で花嫁修行のようなものをさせられる。一番上の姉から嫁がされていく中で、末っ子のラーレはどのように行動していくのか……というような話です。
あんまりこれはネタバレを気にする種類の作品ではないと思いますが、気になる方はこの先を読まずに観に行ってね!
トルコ・イスラム教・女性
上記の監督インタビューでは、トルコにおける女性のことを考え、語りたくてこの作品を作ったと述べられています。女性観含む物事の捉え方に大きく関与しているもののひとつに宗教がありますが、トルコといえばイスラム教。
イスラム教においては、「女性は親族以外の男性に触れてはいけない」とされることが多いです。髪や手足の露出もだめ。これは、男性の視線を避けることが自分の身を守ることにつながるから……というような理由だったような。このあたりの考え方は同じイスラム教国でも地域差があるようですが、映画の舞台は保守的な田舎町。当然男女の接触は避けるべきとされているはずです。
映画の冒頭には、海で遊ぶ男女の学生のシーンがあるのですが、そこで男子の上に女子が乗る騎馬戦を行ったことが、5人姉妹が家の中に閉じ込められるきっかけとなっているんですね。これは、配偶者でもない男性の肩に女性が乗ったということですから、人づてにそのことを知った祖父母はめちゃくちゃに怒るわけです(見ててわりと辛かった)。
ここからの5人姉妹が受ける仕打ちは散々なんですよね。でも、それらはこの地域では当然とされていること、文化なわけで、それに縛られているのは姉妹だけではない。彼女たちをひどく叱る祖父も、祖父から守る様子を見せながらもその女性観には同意している祖母も、文化やしきたりに縛られているという点では同類です。みんな抑圧されている。
テーマは「古い価値観の抑圧」ではなく「女性へのイメージ」ではないか?
じゃあ、この映画の一番のテーマは「抑圧」なのかというと、わたしはそうではないような気がしています。監督インタビューの記事を少し引用してみると、
「6年前ほどから、女性について色々と考え出したのです。特にトルコにおいて、女性というのはどうなのかを考え、語りたいと思いました。」
(映画『裸足の季節』トルコを舞台に、5人姉妹の甘美でほろ苦い反逆のドラマ - 監督・デニズにインタビュー | ニュース - ファッションプレス)
というように、トルコにおける女性よりも先に女性全体のことを考えているようなんですね。
たしかにこの映画の舞台はトルコであるし、そちらのほうに焦点を当てれば、イスラム教の要素を含む保守的価値観による抑圧*1を問題視した映画である、と捉えることもできると思います。ですが、その前にある「女性について考え出した」ということに注目してみると、女性に対するイメージへの問題意識が見えてきます。
わたしは、いくつかのシーンで光がとても綺麗だなあと思いました。閉じ込められるきっかけとなる騎馬戦のシーン、姉妹が部屋でよこたわっているシーン、最後のほうで映るモスクのシーンです。
その中でも、騎馬戦のシーンは強く印象に残っています。なぜ印象に残ったのか。それは、その後家族から受ける批判の内容とは対照的に、まったくいやらしさがなかったからです。20歳以下の男女が、海に反射する光を浴びて楽しそうに遊んでいる。その映像から感じられたのは、健やかさ、生命力、エネルギーでした。全身が濡れるのも気にせずにはしゃぐ様子は本当にかわいらしかった。
このシーンの事実は、「若い男女が海で騎馬戦をして遊んでいる」ということだけです。それに対して祖父や祖母の中で起こったイメージは「いやらしい」「みだらだ」というようなものでしたが、それは外部からくっつけられたもの。実際に起きている事象からではなく、イメージした彼らの側から導き出されたものです。女性の身体や行動そのものにいやらしさがあるわけではない。
このようなことは、多分トルコの田舎町に限らず起きているんじゃないかなと思います。さらに言えば、女性に限らず、です。わたしはわたしの感じたようにしか見ていない。
だからこそ、できる限り勝手なイメージを排していくことが、これからの社会をよりよく生きていくためには必要だよな〜というところに思い至りました。自分の文化がしみついているから難しいところもあるけど、努力したいとこ。
まあなんかいろいろ難しく考えなくても、5人姉妹役の女優さんたちがそれぞれとてもそれらしい演技をしているし、光の当たり方が綺麗で絵画みたいだったし、音楽もすごいよかった、なんかよくわからないけどとにかく美しい映画だなと思ったのでよかったら見てほしいです!原題のムスタング(野生の馬)にふさわしい映画!東京なら銀座か恵比寿!よろしくお願いします!
余談ですが、この記事を書いていたときのツイートが、学校での読書感想文教育と結び付けられていておもしろかったです。「一切意図していなかったことを他者がわたし(の文)から感じる&広がる」という、この映画を通して思ったことがリアルに起きていた……。
物語を読み終わったときに書くもの、感想型(あらすじなし、自分と結びつけたものがメイン)と解説型(あらすじが必要、自分とは結びつけない)があると思うんですけど、わたしは圧倒的に感想型なので解説型で書こうとすると難しいな……
結局、学校において「読書感想文の正解」って何か未だに分からないんですよね…
— すかいゆき / 藤原惟 (@sky_y) 2016年6月26日
大人になって分かったのは、「実は先生も正解を持っていなかった」こと。なぜなら、学習指導要領には大ざっぱにしか方針が書かれていない(らしい)ので。https://t.co/MrRLT5bzgA