とっちら

好きなことを取っ散らかします。

「あっヤバいこれきさらぎ駅かも?」と思ってマジで焦った話。

きさらぎ駅とはなんぞやという方はまずこれを。

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はい。

 

こわがりのくせに怖い話を読むのが好きで、中でも異世界に飛ばされちゃう系はその妙なリアリティと、そんなはずないという気持ちの間で心臓がドクドクする感じがなんとなくクセになってよく読んでしまう。きさらぎ駅に関しては、新たな到達者(あるいは帰還者)が出るたびまとめを読んでいて、最近はツイッターのおかげできさらぎ駅実況中継も聞けたりするから、ネットがザワつくとすぐtogetter探して追いかける程度には好きだ。それが釣りであったとしても。

  

6月末、わたしはある企業のインターン選考会に行っていた。めちゃくちゃ人見知りかつ同級生が苦手なのでわりと死にそうになってたんだけど、最初に話した子が同じく超人見知りで意気投合した。選考会帰りには、わたしが気になってたTシャツ屋さんに一緒に寄った。というか、地図を見て道案内してくれた。自分一人だと確実にたどり着けないようなところにあったので、めちゃくちゃ感謝してる(方向音痴)。

また会えたらいいね、と駅で別れて電車に乗る。普段来ないようなところにオフィスがあったので、乗り換え案内のスクショを何度もチェックして、いつも使ってる京王線まで乗り換えてやっと息をついた。

 

緊張のためか思ったより疲れていたみたいで、気づいたら寝てしまっていた。ハッと目を覚ますと、なんとなく電車の雰囲気が違う。いつもの京王線じゃない。普段利用してる時間帯から多少ズレてるとは言え、電車自体の雰囲気ってそんなに変わらないのに。おかしいなあと思いつつ、まあ寝過ごすことはないし、とアナウンスを待った。

 

「次は~、○○○、○○○です……」

 

え、ごめんそんなとこ聞いたことないんだけど。いや、ちょっと。え?

一瞬で血の気が引いた。わたしこれ何に乗ってるの。えっ。車両の中を見渡しても焦ってる人はいない。そもそもなんか異常に乗ってる人が少ない。いやいや勘弁してくれよ。きさらぎ駅が頭をよぎった。

きさらぎ駅が起きたのは静岡の電車らしい、という知識はあったはずなのに、そんなの思い出せないくらいパニクっていた。このまま乗ってたらヤバいんじゃないか、どこかに連れてかれて戻ってこれなくなるんじゃないか。ああそう考えたら行く前に異常に胃が痛かったのもわたしを引き止めるためだったのかもしれない、体に従わなくてごめんなさい助けて……

 

「次は~、カミキタザワ、カミキタザワです……」

 

シモキタザワじゃない…カミキタザワ…どこ…でもまだこれは現実…ここで降りるしかない!

スマホの充電は残り2%で、迫り来る(と勘違いしてる)きさらぎ駅のことを考えたら、この電車とカミキタザワがなんなのかなんて検索してる余裕はなかったのだ。

 

 

……多くの方がもうおわかりのように、普段は京王線の特急乗ってるところを、ぼーっとしてて各停乗っちゃっただけの話なんですよこれ。わたしはとにかく地理に弱くて、東京にカミキタザワがあることすら知らなかったんだ…シモがあるならカミがあるって想像つきそうなもんなのに…お恥ずかしい…

 

 

結局降りたんだけど、わたし以外に降りる人はいなかったし駅で待ってる人もいなかった。周りを見渡したらスーツを着た20代後半っぽい女性が一人ベンチに座っていたんだけど、その人もふらっと外に出て行ってしまった。

駅の周りは現代の東京とは思えないような、一昔前っぽい風景。いや~なんだここ、きさらぎ駅でこそないけど時空ゆがんだかな、どうしよう、とか本気で考えていた。

 

持っていたペットボトルの水を飲んだことでようやくちょっと落ち着いてスマホで調べてみると、どうやらこれは異空間でもなんでもなく、京王線の各停がとまる「上北沢駅」だということが判明した。京王八王子行きの電車も止まる、ちゃんとした駅だということが確認できて、やっと安堵した。んだけど。

 

そっから全然電車が止まらない。マジで。びっくりするくらい止まらない。ビュンビュン通過していく電車。電光掲示板は各停がしばらくしたら止まるって示してるけど本当?ってもう疑心暗鬼ですよ。

 

多分こういう感じの時間帯にハマっちゃったんだと思う。

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もうほんとドキドキして、なんとかやってきた各停にちょっと泣きそうになりながら乗り込んで、そっからはとにかく早く帰りたくて途中で準特急に乗り換えた。こんな異世界を身近に感じる機会があるなんて思ってなかった。

 

大学から東京に来て、なんだかんだ3年目なんだけど、やっぱり自分たちの知らない世界ってすぐそこにあって、それってめっちゃ面白くも怖くもあるな、と思った出来事でした。ごめんね上北沢。おいしい飲み屋さんがありそうな雰囲気だったので、今度はちゃんと目的地にして寄りたいです。

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なんだか風景が絵になりすぎてこわかったんだよ。