とっちら

好きなことを取っ散らかします。

『勝手にふるえてろ』を観た

 

映画『勝手にふるえてろ』を観た。原作未読です。ラブコメディということになっているけど、いやたしかに笑えるシーンは随所にあったけど、それ以上にちょっと自分にとっては切実な話すぎて、枠としては『ムーンライト』とかなり近いんじゃないか……。ヨシカに感情移入しすぎて、ヨシカが辛そうにしているところでめちゃくちゃ泣いてしまい、もう特に後半全然コメディじゃなかったです。

ラストのやりとりとかすごいすごくて、あんなに自分の思ってることをこう、真正面から、自分の部屋というすべてから自分を守ってくれうるフィールドに他人が入ることを許しつつ、いや許すっていうかあれは侵入だと思うんですけど、そして扉を開けてなんともプライベートなことを叫ばれ、本当に信じられないけどそれらを受け入れ、考えられないようなことをする。っていうかなんか〜もう1回見たい!!!!

ああやってきちんと他人に思ってることを言うのも大事だし、でも全部受け入れてくれというのは違う、このへんがわたしにはいまいちまだ理解できていないような気がするのだが(よく聞くけどどういう意味なのかがよくわからない、聞こえる=受け取ると受け入れるが違うということ?受け取った時点で自分の内部に入るので受け入れてしまう気がする)、他人に対して開けることはすごく大事だなと思って、気を抜くと閉じてしまうのでこう意識的に……二を待つことなく開けていきたい……と思った。

おそらくだけど、勝手にふるえてろの感想を書こうとするとどうしても自分が入り込まずにいられないと思うので、いろんな人の感想を読んだり聞いたりしたい映画だなと思った。逆にあの映画をなんとも思えない人もいるのではないだろうか……グザヴィエ・ドランの『たかが世界の終わり』を観たときにそういう感想をちらほら見かけたのだけど。