とっちら

好きなことを取っ散らかします。

2023年1月

202……3年!!!

今年こそもう少し自分のために長めの文を書きたい。最近、とくに本を読んだ日は書きたいことが多くて、キャンパスノートに書いている日記では1日1ページとか使ってしまう。

今月は家族にいろいろと大変なことが多くて、自分が歳をとっているんだな〜と感じた。誕生日に年齢が1つ上がっても大した意識の変化はなく、むしろ身近な周囲の変化によって自分の置かれた状況の変化を感じるなあ。

この土地にいるなら運転しないとな〜〜〜〜。久しぶりに運転したら緊張した。

読んだ本からいくつかメモしていくぞ!

 

こういう対話形式の本って、大体どこか作り手側の伝えたいことをキャラクターに喋らせてる感を感じてしまう箇所がある。この本も特に最初のほうなどにそう感じる部分はあったけど、他方で歴史や法の話など、対話形式ではちょっと見かけにくい話にも章が割かれていたのはいいような気がする(一部は登場人物が講義を受けているという形式にはなっていたが)。とくに戸籍法や家制度の話が読めたのが個人的にはよかった。

執筆者は早稲田大学ジェンダー研究所に関わる人たち。自分がいいなと思った箇所は、ジェンダー法学とかジェンダー史の専門の人が入ってるからこそのパートなのかなと思った。今またちょっと法学、そして人生で初めて歴史のような縦の流れに興味があるかも。それらの重要性というか、いかに個人にそういった社会の影響が大きいかをあらためて感じるようになったのかな。

本自体は中高生あたりから読めると思う。自分がそのぐらいの年齢のときに、こういう本たくさん読めてたら今めっちゃ知識ついてただろうな〜と思うことがある。どうせ暇だったから……

 

今村夏子作品って『星の子』しか読んだことがなくて、あの作品はわりと宗教(ということにしよう)2世の持つぼんやり感とか、信仰継承(とも言えないような継承)がどんなふうに強い信仰以外の理由で曖昧になされるかみたいなのが珍しく描かれてるな〜と、わりと肯定的に思っていた。んだけど、これを読んだら、あれは別に宗教2世を描こうとして云々というより、今村夏子作品の登場人物特有のぼんやり感だったのかもしかして??と思った。

 

書架で偶然手に取ったのだけど、最近読んだ本の中でかなりヒットだった!加害者プログラム、書くことの責任についてのあたりがとくに。イベントやオンライン、対面での会話が収録されている本なんだけど、たしかに最初からテキストだったらこういう話の展開はされないかもな、という内容や、会話だからこその大胆さみたいなものも結構あると感じた。一定以上注目される研究者というのはそういう大胆さを持っているものなのかもしれないが。自分が編集者ならここカットします?とか言いそうな内容もある。

年齢に差のある女性2人の対談という点で、この前読んだ上野千鶴子鈴木涼美さんの『往復書簡 限界から始まる』となんとなく比較しながら読んだ部分もあるように思う。ちなみに『言葉を失ったあとで』には上野さんの話も数行だけ出てくるが、そこで言われているような考え方の違いが収録内容にも反映されているように感じた。

研究者としてのスタンスというか、責任のとり方についての考え方だったり、最終的には自分がよいと思う方法をとっているんだろうなと感じられたりするあたりは、自分が何か譲れないものをやるときに、きっと同じようである必要が生まれるんだろうなと思った。態度の面で。

 

借りて読んでる間に芥川賞受賞作になっていた。ショッピングモールの暗さ!!!!!!!!!今の自分にとって地元のショッピングモールは地域の衰えを感じる場所で、薄暗いイメージを持っているんだけど、そういう薄暗さがずっとあった。郊外や地方の薄暗さ・不穏さがある小説って自分に近い嫌さで嫌度が高い(苦手の意)。でも「今」だな〜〜〜〜〜と感じたかも。装画・装丁がかなり好き。

 

タイトルがうまい!!高瀬さんは以前『犬のかたちをしているもの』も読んで、それもわりと好きだったんだけど、『おいしいごはんが食べられますように』がより好きだな〜。嫌な感じを上手に嫌に書かれていると「嫌〜〜〜〜!(好き)」と思う。すばる文学賞をとってる作家さんが結構好みなんだろうな……。

帯とかたまに見かける感想ツイートから抱いていたのは「1人ヤバい女がいる」かつ「三角関係」系の話なのかな?というイメージだったんだけど、全然違った。全然違ったんだが、webで読める書評いくつか読んだら結構自分とは読み方が違う感じがするものが多くて、お〜!?と思った。面白いね。

わたしは主要3人の考え方または振る舞い(そのうちの1人、芦川さんという人物は内心の描写がないので「振る舞い」としか言えない気がする)に関して、それぞれ近いなと思う部分とわからんなと思う部分があったので、こういう読み方になったのかなあとは少し思う。特定場面での食事が苦手な人間としてこれを読めたのは結構よい体験なのかも。読んだ人は感想ぜひ教えてください。わたしは終盤「みんな……それぞれつらいな……」みたいな気持ちになったよ。

 

発売当時、ちょっと読むの怖いな(しんどい思いをするかな)……と思っていたので、かなり読みやすくて驚いた。よりフェミニズムを前面に出した強烈な作品が、この数年で結構出たように思うので、かなりセーブされている感じすらする。嫌なことが起きても、それに対抗する人や助けようとしてくれる人が出てくるから、ズーンとならずにすむのかな。

実際のその時代の背景やデータを合間に挟む構成は、小説としてはわりと珍しいのでは?と思うんだけど読んでいて違和感がなかった。最後、ヒエーーーとなるけどその思考回路は見覚えのあるもので、怖……。

あとがきや解説でも、さらに背景を捕捉してくれていてよかった。解説内の「識者の多くは、韓国社会における女性嫌悪は軍隊の問題と切り離せないという」というところには、いやあそうだよなあ……と思ったし、「今、韓国社会にはびこる女性嫌悪は、『劣った性』として差別するというよりは、むしろ『不当に恵まれている』と言って攻撃する」「日本でもマイノリティーを攻撃する人々は、その理由を『彼らが特権を持っている』と言い、さらには自分たちはむしろ『被害者』なのだと居直る」というあたりは、こういうのめっちゃ見るわね……と思った。関係ないが、「特権」という言葉は、その印象のために使い方がかなり難しいと感じている。

 

前巻が出たときに自分のコンディションが悪く、買うだけ買ってそのままにしていたから9、10巻と続けて読んだ。椎名うみさんのキャラクターの言い回しは本当にすごい。そんな言い方があるなんて考えもしなかった、だけどきちんと伝わるし切実だ、と思うようなフレーズがキャラクターから自然に出てくる。

わたしは「感じていることをできるだけ正確に言葉にする」のをかなりよいことだと思っているっぽく、こだわりがあるっぽいので、キャラクターの身から出た本当らしい言葉だなあと感激する。

内容としては、人にすすめるときにちょっと「こういう内容があるけど大丈夫?」と確認したほうがよさそうな度合いが上がったが(安全のために)、優里ちゃんたちのこと最後まで見届けたいな……。

 

これ絶対前も言ってるんだけど、スキップとローファーは「こっちもやるんだ!!」って思うようなほうも描くから驚く。今回もよかったな……。みつみちゃんが「完璧ないい子」「よくできた子」というわけじゃない、普通に高校生だなと感じる巻だったように思いますが、それでもやっぱりみつみちゃんの器のデカさというか、それってなかなか言えないよね!?すげー……と思うようなところもあって、なんか漫画ってすごいよね!漫画家さんってすごい!編集さんとどんな打ち合わせとかするんだろう!?

 

今月読んだ本についても漫画についてもいろんなところで思ったのは、「これを書く・描く」と決めて取り組んで、しっかり形にするということは本当にすごいことで、胆力のいることだなあということだった。

自分はこのブログみたいに、とくにお金ももらわないし読者も意識しない、ただ自分のためにメモをするような感覚で文を書いてきた時間が長く、文を書いてそのへんに載せておくということが自然すぎて、「腹を決める」ような経験が多くない。文に限らず、何かを決定すること自体が不得意なんだけど。

でも、腹を決めてこそできる周到な準備とかもあるんだろうなあと思っていて、ちょっとそういう、よくよく準備して穴のないようにやる、みたいなことを、今後やってみたい気もしている。消極的な理由での穴埋めではなく、積極的な理由での穴埋めを……。

あっ、あと漫画アプリのPalcyで偶然知った『おいピータン‼️』という漫画が、好きなトーンの日常系漫画で後ろ半分ぐらいを買って読んだんだった。こういうのも好き。あたしンちとかがジャンルとしては近いのかな?吉田鋼太郎さんや武田玲奈さん、木南晴夏さんなどが出てたドラマ「おいハンサム!!」の原作の1つだったよう。今続編の『おいおいピータン!!』も連載されているので、更新を楽しみにしている。